ILC かるた、読み札決定!

ILC通信 76号 pdf      


 『ILC かるた』の読み札に多くのご応募をいただきまして、誠にありがとうございました。全国から送っていただいた666 通の作品の中から、「ILC かるた選考委員会」による審査の結果、各文字の読み札が決定しました。入賞された皆さま、入選された皆さまには、賞状と粗品をご送付致します。

 審査にあたっては、頭文字ごとに一作品を選考し、その中から大賞を決定しました。さらにILC 実験の特徴をよく表した作品に「委員長賞」、研究者のILC に対する気持ちを表した作品に「研究者納得で賞」、心温まる作品に「ほのぼの賞」、ILC 通信をよくお読みいただいてILC へのご理解が深い作品を「編集部賞」としました。
入選全作品は下記をご覧下さい。



大賞
「わ」 わっ!と驚く実験結果

講評:ILC 実験の目的はこれまでに知られていなかった自然や宇宙の姿を解き明かすことです。思いもつかなかったことが明らかになるこ とでしょう。ご期待ください。どんな結果が出てくるか楽しみですね。


委員長賞
「そ」  足跡を たどるのではなく 作ります

講評:ILC は、ビッグバン直後の宇宙の姿を、その時の状態を作りだすことによって調べる装置です。その特徴を短い言葉でよく表した作 品です。


研究者納得で賞
「さ」  三度の飯よりILC

講評:もっとも研究者の心理をついた作品だと思いました。本当はきちんと食べた方が良いのですが、つい夢中になってしまうのです。


ほのぼの賞
「お」  お茶飲みで 素粒子話題の じじとばば

講評:世間話のように素粒子の噂話でお茶の時間が盛り上がると楽しいですね。お孫さんも交えて。


編集部賞
「ま」  円いはLHC 直線はILC どちらも必要

講評:早くILC が出来てLHC の実験と一緒になって宇宙の解明を進めたいですね。



入選者
「あ」S. Y. さん、「い」例題、「う」O. J. さん、「え」O. K. さん、「お」SAMさん、「か」三浦さん、「き」佐々木さん、「く」荒井さん、「け」T.S.さん、「こ」C. T.さん、「さ」S. M.さん、「し」T.S.さん、「す」O. T.さん(編集部改)、「せ」O. Y. さん、「そ」T. S. さん、「た」山形さん、「ち」309. 65 Kさん、「つ」あらしさん、「て」G. O. さん、「と」G. O. さん、「な」S. K. さん、「に」つうろさん、「ぬ」象が好きさん、「ね」菅原さん、「の」S.Y. さん、「は」藤井さん、「ひ」Shiit ake さん、「ふ」とーるさん、「へ」S.Y. さん、「ほ」山内さん、「ま」菅原さん(編集部改)、「み」G. O. さん、「む」G.O.さん、「め」T. H.さん、「も」S. Y.さん(編集部改)、「や」Kaoriさん、「ゆ」条南中学 千葉さん、小山さん(編集部改)、「よ」鯨になる練習さん、「ら」山内さん、「り」O. K.さん、「る」バーバラさん、「れ」G. O.さん(編集部改)、「ろ」平木さん、「わ」面瀬中学 小池さん、柏さん、阿部さん、小松さん

 絵札は今後ILC 通信のTwitter、Facebook で発表いたします。
皆さま、ありがとうございました。



入賞!




入選作品1(あ~つ)




入選作品2(て~め)




入選作品3(も~と)










加速器図鑑
陽電子と陽子


 いきなり質問です。次の文章は正しいでしょうか?
「ILC では電子と陽子を衝突させる」
答えは「間違い」です。ILC では電子と陽電子を衝突させます。一方 欧州合同原子核研究機関( CERN) の大型ハドロンコライダー(LHC) では陽子と陽子を衝突させます。

 陽電子と陽子は文字にするとたった一字違いで、混同しやすくて困るのですが、とても違うものです。左側の図をみてください。水素原 子が描かれています。水素原子は一番簡単な原子です。陽子1ヶを原子核とし、その周りを1ヶの電子が廻っています*1。陽子はプラスの電気、電子はマイナスの電気を持っています。電子は電気の力で陽子に引きつけられ、どこかへ飛んで行く事なく陽子の周りを廻り続けます。陽子は電子の約 2000 倍の重さ*2 を持っていますので、まさに陽子が中心にドーンといて、その周りを電子が廻っているのですね。陽子は3つのクォークから出来ている複合粒子です。素粒子ではありません。一方、電子は今のところ内部の構造はないと考えられています。つまり素粒子です。

 陽子も電子も我々の身の周りにある物質を形作っている粒子です。では陽電子はどうでしょうか。陽電子は反粒子(反物質)です(右側の図)。陽電子は電子と同じ重さ*2 を持ち、電気が反対、つまりプラスの電気持つ、電子の反粒子です。陽電子を反電子と呼べば陽子との混同も無いのですが、発見されて以来ずっと陽電子(正の電気を持つ電子*3 の意)と呼ばれています。

 我々も、宇宙全体の星々もみんな物質で出来ています。陽電子のような反粒子(反物質)は基本的には身の周りにありません。宇宙から振ってきた宇宙線(高エネルギーの粒子)が大気の分子と衝突して反応し陽電子を作る事がありますが、その陽電子はすぐに物質中の電子と出 あって対消滅し高エネルギーの光になって消えてしまいます。陽電子は非日常的な存在と言えます。

 ILC では陽電子を大量に作り出して*4 高エネルギーに加速し、同じく高エネルギーに加速された電子と正面衝突させて実験を行ないます。ここで「電子も陽電子も素粒子である」、「電子と陽電子は粒子・反粒子の関係にある」という点が生きてきます。どちらも素粒子で、かつ粒子と反粒子であるため、電子と陽電子は対消滅して純粋なエネルギーのかたまりになります。そこからどんな粒子でも作り出せます*5。また余計な物が出る事なく、極めてクリアな実験が出来るのです。

*1) 厳密には量子力学的な意味で廻っている。天体の公転運動と類似しているが同じではない。
*2) 正確には質量。
*3)正(+)の電気の事を" 陽" で表す。陽極(+の極)、陰極(-の極)等。
*4)ILC 通信 55 号(2010 年12 月号)の巻頭記事に陽電子の作り方が簡単に解説されています。
*5)エネルギーの許す範囲で


トピックス

KEK の次期機構長候補に山内正則氏

 2014 年12 月18 日、KEKでは、現機構長 鈴木厚人の任期が2015 年3 月31日をもって任期満了となることに伴い、機構長選考会議において次期機構長候補者について選考を行った結果、現素粒子原子核研究所長の山内正則氏を次期機構長候補者として決定したと発表しました。
 山内氏の専門は素粒子物理学実験。電子・陽電子衝突実験である、トリスタン計画やB ファクトリー実験に従事しました。任期は2015 年4 月1日からの3 年間。


トピックス

CERN の次期所長にファビオラ・ジャノッティ氏

クレジット:Claudia Marcelloni/CERN

 2014 年11月4日、CERN は理事会で、次期所長にファビオラ・ジャノッティ氏を選出した。ファビオラ氏はヒッグス粒子の探索実験に取り組んだLHCの実験グループ、ATLAS のプロジェクトリーダーを務めた。2016 年1月に就任し、任期は5年。




編集部より

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